家族葬とは?費用や参列範囲、一般葬との違い、注意点

大切な方の最期をどのように見送るべきか、多くの方が悩まれます。最近よく耳にする家族葬ですが、具体的な内容や費用の仕組みを詳しく知らないという方も少なくありません。

この記事では、家族葬の定義から一般葬との違い、メリットまで分かりやすく解説します。最後まで読むことで、後悔のないお別れの時間を過ごすための判断基準が明確になるはずです。

目次

家族葬とは?「近親者」で見送る小規模な葬儀

家族葬とは家族や親戚、親しい方のみで行う小規模な葬儀のことです。一般的には10名から30名程度、多くても50名未満の規模で執り行われるのが特徴です。

仕事関係の方を招かないため、周囲への気兼ねなく故人との別れに集中できます。親しい方だけで静かに見送りたい場合に最適な形式と言えるでしょう。

近年、家族葬が選ばれている理由

近年は参列者の高齢化が進み、遠方からの方を呼ぶ負担を考慮して家族葬を選ぶ方が増えています。また生活環境の変化も、小規模なスタイルが定着した大きな要因の一つです。

遺族に経済的・心理的な負担をかけたくないという故人自身の希望も多く見られます。無理のない範囲で心のこもった供養をしたいという考えが、現代の主流となっています。

密葬や一日葬との違い

家族葬と密葬は似ていますが、後で本葬を行うかどうかという点に違いがあります。家族葬はそれ自体で完結しますが、密葬は後日にお別れ会を行うことを前提としています。

一日葬は通夜を行わずに一日で式を済ませる形式であり、時間の負担を軽減できるのが特徴です。家族葬の中でも一日葬の形式を選ぶことが可能ですが、本来は別の概念です。

家族葬と一般葬の具体的な違い

家族葬と一般葬の最大の違いは、参列者の範囲とその規模による心理的なゆとりにあります。一般葬は対応に追われがちですが、家族葬は身内だけの穏やかな時間となります。

形式に縛られず故人らしい内容にしやすいのも家族葬ならではの魅力です。自分たちに合った形を選ぶために、主な違いを以下の表にまとめました。

項目家族葬一般葬
参列者の範囲親族や親しい友人のみ仕事関係や近隣住民を含む
葬儀の規模10~30名程度50名以上の大人数
お別れの時間ゆっくり過ごせる参列者対応で忙しい

参列者の人数や葬儀規模の違い

家族葬の参列人数は一般的に30名以下と少なく、会場も小規模な式場が選ばれます。これにより、会場の設営費用を大幅に抑えることが可能になります。

一方の一般葬は100名を超えることもあり、広い会場や多くのスタッフが必要となります。葬儀の規模感によって、準備の進め方や必要な手配も大きく変わってきます。

葬儀費用や香典の考え方の違い

家族葬は飲食接待費が少なく済むため、全体の支払総額を抑えられる傾向があります。ただし、参列者が少ない分、香典による収入も少なくなる点には注意が必要です。

一般葬は費用がかかる反面、多くの香典で費用を補える場合があります。家族葬では香典を辞退するケースも多いため、予算の立て方が一般葬とは大きく異なります。

故人とのお別れの時間の過ごし方の違い

家族葬では参列者への挨拶に追われることがなく、家族だけの貴重な時間を過ごせます。思い出話をしたり、故人が好きだった音楽を流したりと自由な見送りが可能です。

一般葬では礼儀やしきたりを重んじる必要があり、慌ただしく時間が過ぎてしまいがちです。心の整理をつけたいという遺族にとって、家族葬のゆとりは大きなメリットです。

家族葬で呼ぶ参列者の範囲はどこまで?

家族葬で誰を呼ぶかは、遺族が自由に決めても問題ありません。基本的には二親等以内の親族を中心に、特に親しかった方へ声をかけるのが一般的な基準となります。

迷ったときは、故人の生前の人間関係を振り返り、最期に立ち会ってほしい人を慎重に選びましょう。案内する範囲に迷いがある場合は、事前に家族で相談しておくことが大切です。

参列を依頼する範囲に明確な定義はない

家族葬の参列範囲に決まりはなく、極端な場合は同居家族のみで行うこともあります。親密な付き合いがあった親戚や友人であれば、招待しても失礼にはあたりません。

大切なのは「誰を呼ぶか」よりも、呼ばない方に対して納得してもらえる説明をすることです。無理に範囲を広げず、ご家族が納得できる形でお見送りを行いましょう。

呼ばない方への失礼のない伝え方

招待しない方には、家族葬で行う旨を事前に伝えるか、葬儀後に報告する形を取ります。「故人の遺志」であることを添えると、角を立てずに理解を得やすくなります。

香典や供花を辞退する場合は、その旨もはっきりと明記しておくことがマナーです。丁寧な言葉選びを心がけることで、葬儀後の人間関係を円満に保つことができます。

家族葬にかかる費用の内訳と相場

家族葬の費用相場は約100万円前後とされていますが、内容によって幅があります。葬儀一式の費用のほかに、火葬料やお布施などの実費が必要となることを覚えておきましょう。

地域や葬儀社によっても価格設定は異なるため、内訳を把握することが重要です。全体の予算をあらかじめ決めておくことで、無理のない葬儀プランを選択できます。

葬儀一式の費用相場と内訳

主な費用には、祭壇や棺などのセット料金、会場の使用料、搬送費用などが含まれます。家族葬は豪華な祭壇を必要としない場合が多く、基本料金が安く設定されています。

また、料理や返礼品などの接待費用が変動するのも家族葬の特徴です。参列者の人数を早めに確定させることで、正確な費用の見積もりが可能になります。

葬儀費用をできるだけ抑えるポイント

費用を抑えるためには、公営の斎場を利用したり、華美な装飾を控えたりするのが効果的です。また会員割引制度を設けている葬儀社を選べば、大幅な減額も期待できます。

必要な項目を絞り込み、不要なオプションを断る勇気を持つことも大切です。自分たちが何を重視するかを明確にすれば、コストパフォーマンスの良い葬儀が実現します。

お布施や香典に関する相場とマナー

寺院に渡すお布施は、家族葬であっても一般的な相場と大きく変わらないことが多いです。読経や戒名への謝礼として、事前に目安を確認しておくと安心です。

家族葬では香典を辞退することが多いため、参列者にはその旨を明確に通知しましょう。香典を受け取る場合は、後日の香典返しの準備も忘れずに行う必要があります。

家族葬の流れ

家族葬の流れは一般葬とほぼ同じですが、一つひとつの工程を丁寧に行うことができます。詳しい手順は葬儀ガイドを参考にしながら、家族で話し合っておきましょう。

病院からの搬送、安置、打ち合わせという最初の数日間が最も多忙になります。全体の流れを把握しておくことで、精神的なゆとりを持って故人と向き合えるようになります。

ご逝去からご安置までの初動対応

亡くなった直後は、まず葬儀社へ連絡してご遺体を安置場所まで搬送してもらいます。病院から直接自宅や斎場の安置室へ移動するのが一般的な初動対応となります。

安置が完了した後に、具体的な日程やプランの打ち合わせを葬儀社と行います。枕飾りを整えて、故人が安らかに眠れる環境を準備することが大切です。

お通夜と告別式の基本的な流れ

お通夜は身内が集まり、故人と過ごす最後の夜として静かに執り行われます。翌日の告別式では宗教儀式や献花を行い、故人への感謝を込めて最後のお別れを告げます。

家族葬では進行が比較的自由なため、故人を偲ぶスライド上映なども行いやすいです。形式よりも想いを大切にした、温かみのある式を計画できるのが魅力と言えます。

葬儀後に行うべき手続きや法要

葬儀が終わった後も、役所への届け出や年金の手続きなどやるべきことは多いです。また、四十九日法要や納骨の準備も、時期を見て進めていく必要があります。

家族葬の場合、後日自宅へ弔問に来られる方への対応も想定しておきましょう。事務的な手続きを早めに済ませることで、落ち着いて故人を供養する時間を確保できます。

家族葬を選ぶメリットとデメリット

家族葬には、遺族の負担軽減という大きなメリットがある一方で、特有の難しさもあります。

周囲への配慮を欠かさなければ、非常に満足度の高いお見送りが可能です。ここでは選ぶ前に知っておきたい家族葬のメリットとデメリットを整理して紹介します。

家族葬を選ぶことの主なメリット

  • 精神的な負担が少なく、故人との別れに専念できる
  • 会葬者への接待費用を抑えられるため、経済的である
  • 形式に捉われず、故人の趣味や意向を反映しやすい

何より気兼ねなく過ごせる点が、多くの遺族に喜ばれているポイントです。弔問客への挨拶に追われず、家族全員でゆっくりと故人を偲ぶ時間を確保できます。

事前に知っておきたいデメリットと対策

  • 葬儀後に自宅への弔問客が増え、対応が長期化する場合がある
  • 「なぜ呼んでくれなかったのか」と親戚から不満が出る恐れがある
  • 香典収入が少なく、結果的に持ち出し費用が増えることもある

対策としては、葬儀に出られない方への丁寧な事後報告を欠かさないことが挙げられます。周囲の理解を事前に得ておくことで、トラブルの多くは未然に防ぐことができます。

後悔しないための家族葬の注意点

家族葬で最も多いトラブルは、参列者の選定に関する周囲との温度差です。情報の共有を怠ると、後になって思わぬ不興を買ってしまう可能性があるため注意が必要です。

納得のいくお別れにするためには、以下のポイントを事前にチェックしておきましょう。慎重な準備を重ねることで、参列した全員が納得できる葬儀を実現できます。

参列者の選定は慎重に行いましょう

「誰を呼び、誰を呼ばないか」の判断は、後々の人間関係に大きく影響します。特に親戚間の付き合いについては、年長者や地域の慣習を考慮して決めるのが無難です。

呼ばなかった方から「最期に会いたかった」と言われないよう、選定は慎重に行ってください。招待基準を自分たちの中で明確にしておくと、説明の際もスムーズになります。

周囲への事後報告を忘れずに行う

参列を辞退した方へは、葬儀が無事に終了したことを速やかに報告しましょう。感謝の言葉とともに、家族葬で行った理由を添えるのが丁寧な対応です。

報告が遅れると、人づてに聞いて不快な思いをさせてしまうこともあります。礼状の送付などを通じて、故人に代わり生前のお礼をしっかり伝えることが大切です。

弔問客への対応を事前に決めておく

葬儀後に自宅へお参りに来たいという申し出への対応を、あらかじめ決めておきましょう。受け入れ期間を定めたり、返礼品を準備しておいたりすると当日慌てずに済みます。

弔問を辞退したい場合は、その旨を報告時に柔らかく伝える工夫が必要です。遺族の生活ペースを崩さない範囲で、失礼のない対応方法を検討しておきましょう。

喪主と参列者が知っておくべき葬儀マナー

家族葬であっても、葬儀という儀式における基本的なマナーは一般葬と同じです。遺族と参列者の双方が敬意を持って接することで、厳かな雰囲気の中で式を進行できます。

特に家族葬ならではの「辞退」の作法については、事前に確認しておくと安心です。マナーを守ることは、故人を尊重し、遺族の悲しみに寄り添うことにも繋がります。

参列時の服装は喪服が基本マナー

たとえ身内だけの家族葬であっても、服装は準喪服(ブラックフォーマル)を着用するのが基本です。故人への敬意を表すためにも、きちんとした装いで参列しましょう。

案内状に「平服でお越しください」とある場合は、落ち着いた色合いのスーツやワンピースを選びます。派手な装身具は避け、清潔感のある身だしなみを心がけることが大切です。

香典を辞退された場合の対応方法

遺族から香典辞退の意向が示されている場合は、その意思を尊重して持参しないのがマナーです。無理に渡すことは、遺族に返礼の手間をかけさせてしまうため控えましょう。

どうしても気持ちを表したい場合は、供花や弔電の受け入れが可能か確認してみてください。相手の負担を第一に考え、ルールに沿った弔意の示し方を選びましょう。

遺族側の挨拶や言葉遣いの注意点

喪主として挨拶をする際は、参列してくれた身内に対し、感謝の気持ちを素直な言葉で伝えます。「忌み言葉」などの基本的な言葉遣いには注意しつつ、簡潔にまとめましょう。

小規模な式であれば、かしこまりすぎず故人との思い出を語るのも良いでしょう。参列者への気遣いを忘れず、場にふさわしい穏やかな話し方を心がけてください。

信頼できる葬儀社の選び方のポイント

納得のいく家族葬を行えるかどうかは、葬儀社選びが大きな鍵を握ります。担当者の対応や費用の透明性をしっかり見極めることが、後悔しないための秘訣です。

複数の会社を比較することで、自分たちの要望を一番汲み取ってくれる場所が見つかります。信頼できるパートナーを見つけるための具体的なチェック項目を確認しましょう。

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複数の葬儀社から見積もりを取る

葬儀費用は会社によって大きく異なるため、必ず2〜3社から見積もりを取りましょう。総額だけでなく、各項目の内訳が明確に記載されているかをチェックしてください。

安いだけのプランには、必要なサービスが含まれていないこともあるため注意が必要です。比較検討することで、適正な価格相場が見えてくるようになります。

プラン内容と追加料金を確認する

契約前に「プランに含まれるもの」と「別途費用がかかるもの」を必ず確認してください。火葬料や車両費用などが別料金になっているケースも少なくありません。

想定外の出費を防ぐためにも、最終的な支払額がいくらになるかを念押ししておきましょう。明朗会計を掲げている葬儀社であれば、安心して任せることができます。

担当者の対応や実績を重視する

知識が豊富で、親身になって相談に乗ってくれる担当者がいる葬儀社を選びましょう。家族葬の実績が多い会社であれば、特有の悩みにも的確なアドバイスがもらえます。

こちらの質問に対して曖昧な返答をせず、真摯に答えてくれるかどうかが判断材料になります。相性の良い担当者なら、葬儀当日の不安も解消されやすくなるはずです。

まとめ:家族葬は故人とゆっくりお別れできる葬儀

家族葬は、身内だけで故人を偲ぶ温かい時間を提供してくれる葬儀の形です。費用面や精神的な負担を抑えつつ、故人の遺志を反映した理想のお見送りが叶います。

周囲への配慮や事前の準備を丁寧に行えば、トラブルを防いで満足のいく式になります。後悔のない選択をするために、今回ご紹介した情報をぜひ参考にしてください。

家族葬に関するよくある質問

家族葬の案内が来たら参列してもいい?

案内状に「参列のお願い」が明記されている場合は、ぜひ足を運んでください。反対に通知のみの場合や辞退の旨がある場合は、参列を控えるのがマナーです。

判断に迷うときは、遺族へ直接電話をかけるのではなく、共通の知人などに確認しましょう。遺族の意向を最優先に考え、静かに見守ることも大切な心配りです。

参列者はどこまでの範囲を呼ぶべき?

一般的には親・子・孫までの直系家族と、親しかった兄弟姉妹までを呼ぶことが多いです。明確な決まりはないため、故人の生前の希望に合わせて調整しても構いません。

ただし、特定の親戚だけを外すと角が立つため、グループごとに判断するのが無難です。家族で話し合い、全員が納得できる範囲で声をかけるようにしましょう。

家族葬で後から困ることは何がある?

葬儀を知った知人が後から次々と自宅へ弔問に来られ、その対応に追われることがあります。事後報告のタイミングや、自宅での弔問受け入れルールを事前に決めておきましょう。

また、参列できなかった親族から不満の声が出るリスクもゼロではありません。「故人の強い希望」であったことを丁寧に説明し、理解を求める努力が必要です。

参列する時の服装は喪服が必須?

基本的には、一般葬と同様に準喪服(ブラックフォーマル)を着用するのが正解です。家族だけだからとカジュアルな服装で済ませることは、マナー違反と捉えられかねません。

ただし、遺族側から「平服で」と指定がある場合は、それに従っても問題ありません。その際も落ち着いた色の服を選び、派手な装飾品は避けるのが常識です。

忌引き休暇はどのくらい取得できる?

忌引き休暇の期間は、故人との続柄によって決まり、家族葬であっても変わりません。配偶者や親の場合は5日間、兄弟姉妹や祖父母の場合は3日間程度が一般的です。

勤務先の就業規則によって細かく定められているため、早めに確認して連絡を入れましょう。葬儀の形式に関わらず、定められた期間の休暇を取得することが可能です。

おすすめ葬儀社ランキング編集部

「何から手をつければいいか分からない」。そんな漠然とした不安を、具体的な「安心」に変えるのが私の役割です。第三者として、各葬儀社の特徴やメリット・デメリットを公平に分析。専門用語を使わない分かりやすさを徹底し、あなたの「分からない」をゼロにします。1級終活ガイドとFPの知識を活かし、あなたらしい最期と、これからの人生を輝かせるための一歩を後押しします。【資格:終活ガイド資格1級、3級ファイナンシャル・プランニング技能士】

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